法定相続情報証明制度をご存じですか


相続シリーズ、続きます。

相続が開始した後、銀行口座の解約手続きや遺産分割協議による不動産の相続登記、相続税の申告手続きには亡くなられた方の戸籍謄本を出生まで遡って集め、各手続の窓口に提出する必要があります。戸籍謄本は発行に手数料がかかりますので基本的には1通ずつ入手します。手続き時に原本を提出し、原本還付(返してもらう)を受けて次の手続きに使いまわす必要があります。さらに多くの場合、戸籍謄本は1通では済みません。私の父が亡くなった際、取り寄せた戸籍謄本は5通に上りました。戸籍の束を持ち歩かないといけない上に1部でも紛失したら再度取り直す必要があり、経験のある方はご存じかと思いますがかなり面倒です。

法定相続情報証明制度は2017年から開始された、戸籍の束をA4の用紙1枚にまとめることができる制度です。申請時に複数枚の発行が可能ですので、原本還付を待つ必要はなく手続きがスムーズになります。複数の金融機関に銀行口座があったり、財産が多く手続きの件数が多くなる方には非常に有効な制度です。しかもなんと無料です。

利用するためにはまず相続人が法定相続情報一覧図という家系図のようなものを作成し、取り寄せた戸籍謄本一式と合わせて法務局に提出します。通常は1週間ほどで登記官の認証文が付記された一覧図の写しを受け取れます。一覧図は法務局で5年間保存され、再交付も無料です。

生前に準備することではありませんが、覚えておいて損は無さそうですね。


PAGE TOP